クライミングが上手くなるためには、腕力だけに頼るのではなく、背筋を効率良く使うことが重要です。
背中の筋肉を使うことで身体のバランスを保ち、腕の疲労を軽減しながらよりダイナミックな動きが可能になります。
この記事では、背筋の役割や重要性、トレーニング方法、そしてクライミングにおける実践的な使い方を詳しく紹介します!
クライマーにとって背筋は一番重要な筋肉です!
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背筋のしくみ
背筋とは、背中にある筋肉群の総称です。身体を支え、動きを制御するために重要な役割があります。
ここでは、クライミングの能力を大きく左右する4つの筋肉をご紹介します。
僧帽筋(そうぼうきん)
僧帽筋は首から肩甲骨、そして背中中央まで広がる筋肉で、上部、中部、下部の3つの部分に分かれています。肩甲骨の動き(上方回旋、内点、下制)を制御して、姿勢の安定に大きく関わります。
動作の安定性と体のバランス
・ホールドを引く動作の安定性:僧帽筋が肩甲骨を引き寄せることによって、ホールドを引く動作を効率的に行えます。
・体のバランス:僧帽筋の下部と中部は、身体全体を引き寄せる際に肩甲骨を安定させるため、疲労を軽減しながら動作の正確性を高めます。
棘下筋(きょくかきん)
棘下筋は肩甲骨の背面にあり、肩関節を凱旋させる役割を担う回旋筋腱板(ローテーターカフ)の一部です、肩の安定性を維持しつつ、動きをサポートします。
肩の保護と繊細なムーブのサポート
・肩の保護:棘下筋は肩関節を安定させ、クライミング中の急な動きから肩を守り、肩の故障につながるリスクを減らします。
・繊細なムーブを可能にする:棘下筋はホールドを捉える際の細かい腕の動きや、壁に入り込む動作に重要な役割があります。
大円筋(だいえんきん)
大円筋は肩甲骨の下部から上腕骨に伸びる筋肉で、肩の内旋や内転、伸展に大きく関わり、広背筋に似た動きをサポートする役割もあります。
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引く力の補助と持久力の向上
・引く力の補助:大円筋はホールドを引き寄せる際に重要な力を発揮します。広背筋と連動して効率的に身体を引き上げる動作をサポートします。
・持久力の向上:特に長いルートを登る際、大円筋が腕や肩の疲労を軽減する役割を果たします。
広背筋(こうはいきん)
広背筋は背中全体を覆う大きな筋肉で、上腕骨から骨盤にかけて広がっています。主に腕の内転、内旋、伸展を行い、体幹を安定させるのに大きな役割があります。
体の引き上げと体幹の安定
・身体の引き上げ:ホールドを引き寄せたり、身体を上げるダイナミックなムーブにおいて重要な筋肉です。
・体幹の安定:壁に対して身体を固定することを補助したり、ダイナミックな動きをしても、体幹が崩れないようにします。
背筋を効率的に使うには?
”背中を使う”と言っても、なかなかすぐにできることではありません。腕や足とは違い、背中の筋肉の筋肉を意識することはとても難しいです。
そこで、これだけ意識しておけば自然と背中の筋肉を効率良く使えるポイントを2つご紹介します。
人間の構造上、この2つのポイントを意識すれば初心者の方でも自然と背中の筋肉を使うことができます。
小指からホールドを握る
1つ目は、ホールドを掴む際は、小指側から順番に力を入れるということです。
小指の筋肉は、前腕、二の腕を通り、背中まで繋がっています。小指から力を入れることによって、自然と肘、脇が閉まり、背中に力が入ります。
背中を意識するのではなく、ホールドの掴み方を意識してみてください。
実際に小指から力を入れたときと、親指から力を入れたときを比べてみてね!
首を長くするイメージ
2つ目は、首を長くするイメージを持つことです。
よく”肩を下げる”と言われることが多いですが、それと同じようなイメージで、首を長くする姿勢を意識しましょう。
首が縮こまって肩が上がると、腕などの小さな筋肉で体重を支えようとしてしまうので、大きな出力を出すことができません。
常に上るときは首を長くした姿勢を意識すると、自然と背筋を使うことができます。
自宅でできる背筋トレーニング
スーパーマン
- 床にうつ伏せになる
- 手足は肩幅に開き、腕を肩よりも上に上げる
- 両手、両足を床から上げられるだけ上げて止める
- 両手、両足を下げる時は、完全に床に下ろさないようにする
これを10~20セット行います。
Tレイズ
- 床にうつ伏せになる
- 腕は真横に広げ、足は閉じる
- 腕は広げたまま、上体を上げて止める
- 上体を下ろす
これを10~20セット行います。
ワンハンドロウイング
- 片手でダンベルを持ち、もう片方の手は椅子に乗せる
- 脇を締め、背筋を伸ばす
- 腰の位置でダンベルとゆっくりと上げて止める
- ゆっくりとダンベルと下ろす
10~15回を、左右交互に行います。
ダンベルベントオーバーロウ
- 立った状態で、足を肩幅に広げる
- 背筋を伸ばしお尻を後ろに引く
- 膝を軽く曲げ、ダンベルを引き上げる
- ゆっくりとダンベルを下ろす
これを15~20セット行います。
背中のおすすめストレッチ
・床に仰向けの状態で、肩が床から離れないように膝が顔の前にくるように脚を上げる。(画像真ん中上)
・四つん這いになり背中を丸め、高く持ち上げる。その後背中を反らして上を向く(画像左下)
・椅子に座り腕を頭の後ろで組み、両手を広げて背もたれを使って身体を反らせる。(画像右)
まとめ
いかがだったでしょうか?
背筋はクライミングのパフォーマンスにおいて欠かせない筋肉群です。特に引き付ける力や体幹の安定性に関与し、背筋を鍛えることで効率的な動作やケガの予防が可能になります。
トレーニングとストレッチを組み合わせて、強くてしなやかな背筋を目指しましょう!
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